其ノ件は 春のひかりの疾走
哀しみは 突然の夢幻
幸いは 常に働くブレーキ
飛び交う声は 係員の汗
時間の中で 冷めゆく体の温度
過ぎし景色 任務を壊してゆく
「眠たい…」と思う気持ちは
そっと 今、行為になる
まどろみを春のひかりが 今日もまた揺らしてゆく
ホームの前で 止まる
天使のような寝顔
世に咲き誇った 鉄道の足は止まりにけりな
いらだちが人の心を 染めゆく
「起きなさい…」と呼ぶ車掌でも
そっと 彼、天つ彼方
哀れみが春のひかりに 今日もまた濡らしてゆく
「眠たい…」と思う気持ちは
そっと 今、行為になる
まどろみを春のひかりが 今日もまた揺らしてゆく
岡山駅で 覚める
客足に響く眠りが…
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