『将軍の人』/国際関係/北朝鮮・喜び組
原曲…『草原の人』/松浦亜弥


♪将軍の人 - Parody Songs
早く流れる 君の律動
青春のその胸が ちーららららら…
ちっちゃいぞ ちっちゃいぞ 布切れが
純潔固く守った君なのに
党員といっしょに消えてっちゃった
あぁなつかしい 喜びの人
あぁはずかしい 将軍の人

「大人になるって・・・おそろしいんだなぁー」

赤く咲いてる ぼくの所に
いつのまにこの花と わーあああああ…
建国の 建国の思い出か?
贅肉ゆれて 笑った金(キム)なのさ
あの人が 妖しく消えてっちゃった
あぁなつかしい 喜びの人
あぁはずかしい 将軍の人

「異人になるんだ!!もう泣かないさ。。。」

闇の川面を 渡って出よう
七色のかの国を ぶーるるるるる…
初恋の 初恋の思い出よ
忘れはしない いとしい君だけは
韓国のどこかでぼくは見てるよ!!
あぁなつかしい 喜びの人
あぁはずかしい 将軍の人

♪ 解説 - Parody Songs
喜び組って知ってますか?
そう、冬季アジア大会で一世を風靡し、韓国人追っかけも現れた、あの美女集団の事 です。
今回の解説は、北朝鮮を舞台にしたある青年の悲恋物語仕立てでお送りします。
なお、この物語は 100%フィクションなので、設定その他についての突っ込みは無し にしてちょんまげ。

青年は命からがら脱北に成功し、韓国の小さなアパートで、北朝鮮喜び組の報道を見 ていた。画面に映っていたのは、かつての初恋の少女であった。といっても、まだお 互いに幼い同士、それを恋と言えるかどうかは非常に不確かではあるが…。
チマチョゴリにおさげ髪が可愛いかった清純そのもののあの娘は、すっかり変わり果 てたあられもない姿で律動ダンスを踊っていた。

あの日、僕はあの娘と約束していたことがあった。
「志望校に合格したら、夕陽が美しいあの場所で逢おう。」と。
僕はあの場所で彼女を待った。やがて夜が更けて、街の明かりも全て消えた。それで も、もし彼女が夜中に抜け出してここに来ても危険がないように、僕は一晩中息を潜 め夜を明かした。しかし、彼女はとうとう僕の前には現れなかった…。
そしてそれ以来、あの娘の事を口にする者は誰もいなかった。

数日後、労働党集会から家族一同で帰って来ると、テーブルの上には忽然と金正日花 と、建国50周年記念コインが一枚置いてあった。この行為が党から僕へのメッセージ である事はすぐに解った。すなわち、
「余計な事は考えるな。下手な動きをすれば命はない…。」
という事だ。そう、党員達は二人の幼い恋すら、党の監視下に置き、全てを調べ上げ ていたのだ。銀貨に彫りこまれた金日成の二重あごが、僕の悲しみを嘲笑っているか のように見えた。
その数年後、父が党に逮捕された。そして脱北を決意した僕の心を、二枚舌の七色外 交や、初恋の思い出が、走馬灯のように浮かんでは消えて、消えては浮かんだ。

そして今、平和な韓国で、何も知らぬ級友が、喜び組の追っかけを楽しむ姿を尻目に 密かに苦々しい思いを噛み締め続けるのであった。
(完)



( Written by himawari )
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